ひきこもり・不登校からいかにして立ち直るか | |
今、不登校となっている君たちへ 君たちが学校から離れてしまったことについて、 私は批判するつもりなどまったくない。 また、理想論や正論めいた話をするつもりもない。 私は学者でも教育者でもない。 ただの一般人だ。 ただ、私はかつて君たちと同じように 学校から離れたくてしかたがなかったのに、 逃げ込む場所がなく、 不登校にはなりきれなかった経験があり、 君たちの気持ちはよくわかる。 いわば、同じような経験をしてる。 経験をともなわない机上の空論や理想論ばかりを 並べ立てるわけではない。 離れた理由はさまざまだろう。 それを「甘えている」とか 「親の教育やしつけに問題がある」とか 無責任にしたり顔で語る者も周囲にいるだろう。 それは同級生であったり、教師であったり、 時には君たちの親がそうであるかもしれない。 不登校にひけめを感じなくていい しかし、そのことについて劣等感を持ったり、 ひけめを感じたりする必要はない。 学校を離れるのは緊急避難なんだよ。 例えば、経験があるかもしれないが、 学校に行こうとすると腹が痛くなるとか、 頭痛が起こるとか、体に不調が出るが、 医者の診察を受けるとどこも悪くないと言われた、 そんな話もよく聞くだろう。 それは精神の不安定からくる神経性の症状なんだよ。 だから内科医の診察では 「どこも悪くない」と言われるが、 これは体が危険信号を発しているんだよ。 無理をするな、無理をして学校に行くな、 行くと精神に変調をきたす、と体がそう警告し、 不調を発生させて足を止めさせようとしているわけだ。 不登校になりたくてもなれないこともある 私自身も小中学校の9年間は 学校に行くのがいやでいやでいやでたまらなかった。 しかし、家にもいられなかった。 休みたいと言っても無理やりたたき出されるし、 田舎だから家から学校の間には民家と田んぼしかなく、 身を隠せる場所もない。 だからいやいや家と学校を往復してた。 学校に行っても周囲はみんな敵だと思ってた。 教師も同級生も。 小学生の頃は誰彼かまわず ところかまわずけんかばかりしてた。 授業中だろうが給食の時間だろうが ささいなきっかけですぐけんかになるんだよ。 で、教師からは問題児扱いされて、 通知表の生活面の評価の部分など最悪に近かったな。 今、客観的に思い返せば、周囲とうまく協調できない、 同級生にどう接していいかわからない、 だから本当は1人でいたいのにその居場所がない、 ずいぶんと無理をして学校に行ってるから 精神的にもはりつめて緊張してて、 だからほんのささいなきっかけで 他人とぶつかることになる。 それに心の底では、他人にかまってもらいたい、 相手にしてほしいといった感情があり、 それをけんかという形で出していたのかもしれない。 なぜそうなったのかはわからないが、 かなり幼い頃からそうだったことを考えると、 まだ物心のついていない時期に 何か問題があったのかもしれない。 細かいことはわからないが、 人間は生後幼少時に おおよその人格が形成されると聞くが、 その時期に人格を形成するために 必要な何かが足りなかったのではないかと思う。 不登校になれないまま中学生になる そんなわけで学校に行きたくないのに無理に登校し、 周囲との軋轢を繰り返し、やがて中学生になった。 小学生の頃ほど回数は多くなく、 また時と場所を選ぶようにもなったが、 それでもけんかはやまなかった。 しかし中学生ともなると 個々の体格や腕力の差が大きくなり、 ワンサイドの内容でたたきのめされることもあった。 で、考えたのが武器を使うことだ。 カッターナイフや果物ナイフなどを いつもポケットに忍ばせ、 けんかで負けそうになるとそれを出して振りかざした。 幸い実際に凶器として使ったことはない。 振りかざした時点で相手が引き下がり、 それで決着がついたからだ。 ただ、これは運が良かっただけで、 振りかざしても引くことをせずに さらに追い詰めてくる相手がいたら、 凶器として使ってしまっていたかもしれない。 きっかけがあれば今の状況から抜け出せる 高校入学後、応援団(部)に引っぱりこまれ、 それがその後の人格や生き方を 大きく変える元となったのだが、 その出会いがなかったら、 さらにその後ボクシングと出会っていなかったら、 ずっとナイフを持ち歩き、いつか間違いなく 破滅の道を走ることになっていただろう。 今、学校から離れてしまっている君たちもたぶん、 今のままでいいとは思ってはいないだろう。 なんとかしたいと思いながら、 けどどうしていいかわからない、そうじゃないか? 脱け出したいと思うなら、 そのきっかけをボクシングに求めろ。 ボクシングを練習して強くなれ。 まず、けんかに強くなれるのはもちろん、 心も強くできる。 心に余裕ができれば多少のことには動じなくなるよ。 ただ、練習を始めてすぐに強くなれるはずはない。 時間がかかる。 それに楽な練習ばかりでは強くなることは難しい。 ただ、今の状況から脱け出したい、 心身ともに強くなりたい、と 勇気を出して来てくれたなら その気持ちにはこちらも精一杯応えていく。 ジムでの練習は時には つらいとかしんどいと 感じることもあるかもしれないが、 私は君たちを絶対に見放したり放置したり 「こいつはだめだ」と見限ったりすることはない。 全力で指導する。来てくれた君たちの味方になる。 人生に遠回りなんてないはず 何もかもスムーズにことが運ぶ、 波風のない人生を送る人間なんてほとんどいない。 みんな何か大なり小なり 挫折を味わったりつらい目に合ったり、 いろいろあるんだよ。 それにいろいろ経験した方が 後々奥の深い心やさしい人間になれるんじゃないか。 今つまずきを感じているかもしれないが、 長い人生の中で数年の遠回りなどたいしたことはない。 いくらでも修正できる。 けど、早く修正したいとあせる気持ちもあるだろう。 それならまず、自分自身の心身を鍛えよう。 強さをなんとなく自覚できるようになったり、 自分に自信がついたら 修正はわりとスムーズに進むはずだ。 ジムのスタッフは君たちを仲間として受け入れ、 君たちの味方となり、全力で君たちの後押しをする。 最初1人で来ることに抵抗があるなら 親御さんなどに付き添って来てもらってもいい。 毎日の練習も同様に付添者同伴を認めている。 ほんの少しの勇気だけで 足を踏み入れられるように できるだけ敷居を低くしたつもりだ。 最初の踏み出しを思い切れ。 君たちの勇気に対して我々は全力で応える用意がある。
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